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普段は紀伊半島を中心にキャンプツーリングを楽しむバイク乗り。
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2015年10月30日

厳冬期北海道ツーリング装備まとめ(キャンプ編)

一年の中でも最も寒い時期、
1月から2月にかけての厳冬期の北海道へキャンプツーリングに行ってきましたので、
その時の装備をご紹介いたします。

ツーリングレポートはこちら→「厳冬期北海道ツーリング」

この時期の北海道は地域にもよるのですが、
最低気温は-20℃以下、日中も常に氷点下での走行を想定して装備を準備しました。

気象庁のサイトに過去の天候を調べられるページがあるので参考になります。
サイトはこちら→「過去の気象データ検索」

で、実際に経験できた気温は、
キャンプでの最低気温は-25℃、走行中の気温が-15℃。
と、念願の-20℃以下でのキャンプと-10℃以下での雪上ツーリングを経験する事ができました。


-25℃での就寝時の工夫などをご紹介いたします。

それでは装備まとめキャンプ編です。



◆テント

やはり極寒キャンプにもテントは必要ですよね。
(シュラフのみで寝てた日もありましたが…w)

私の場合、テントは4シーズン通じて同じ物を使用しています。
まだ吹雪の中のテント泊は経験無いのですが、安定した天候であれば
外張りは無くても大丈夫だと思います。

今回、厳冬期の北海道ツーリングで使用したテントはこちら。

ウルトラライトワンタッチテント(名前が長い)



こちらのテントは名前の通り、ワンタッチで設営出来る超簡単テントです。
(厳密には、ワンタッチでは無いですが…。)
ツーリングで毎日移動を繰り返す移動型キャンプでは、少しでも設営撤収が簡単な方が楽で良いです。
その点、このテントは抜群に楽チンです。

普通のドーム型テントも所有していますが、寒い時期にはこのテントの出番が増えますね。
通気性が良くないので夏は暑いかな。

しかし楽チンなぶん、居住性はかなり犠牲になっています。
インナーテントは長辺で190cm程度しか無く、生地の張りも有りません。
冬用のシュラフなどはテントに触れてしまうので霜の対策も必要です。

ポールの強度も、「どこまで風に耐えられるか?」と言った不安を拭い切れません。
しかし、それらを補って余りあるメリットが、このテントにはあります。

真冬の北海道ではペグを打てるとは限りませんので、
ペグ無しで自立するテントが良いと思います。

ポールはジュラルミン製ですがポールを接続している部分は樹脂製です。
厳冬期の北海道でこの樹脂の部分が寒さに耐えれるのか不安もありましたが、
-25℃でも問題なく使用できました。

しかし「ブリザードが来ようが俺はテント張るぜ!!」と言う方は、山岳用テント等が良いと思います。
かなり高価ですがゴアテックスのシングルウォールテントなんかが良さげですね。
欲しいけど高くて…。


後は雪掘って雪洞作るか…(^^;)



◆ペグ

雪の上にテントを張る場合、普通のペグはあまり役に立ちません。


MSRのブリザードステイク(真ん中)


圧雪であればペグが打てるのですが、カチコチの氷ではペグは打てません。
(氷に打ち込める物もありますが、そこまでは必要ないかな…)

ペグを打ち込めたとしても、普通のペグではすぐに抜けてしまいます。
そこで登場するのがMSRの「ブリザードステイク」です。

テントの四隅に刺してもそこそこ効きますし、雪の中に横にして埋めると強力です。
圧雪にハンマーで打ち込んで水を掛けると強力に固定できます。

撤収で抜けない時はペグにお湯を掛けるとスルっと抜けます。
埋める場合はあまり深く埋めると回収出来なくなるのでほどほどに。



◆シュラフ

冬のキャンプを快適に過ごす為には、何といってもシュラフ(寝袋)が重要です。
シュラフも色々なメーカーがありますが、私は厳冬期登山用シュラフ「イスカ エア810X」を使用しました。

イスカ エア810X 最高です。



最低使用温度が-25℃のダウンシュラフです。
北海道で体験できた最低気温は-25℃で、まさしく最低使用温度を体験できましたw

ふっかふかで気持ち良い~♪



-25℃の夜も、シュラフの性能を検証すべくカイロ等の熱源は使用せずに、
上はフリースとダウンジャケット、下はユニクロ暖パンに安物の中綿入りズボン。
足はダウンのオーバーソックス、頭はウールの帽子と顔が冷たいのでバラクラバをつけて就寝しました。

結果、マットが少し断熱不足なのか背中に冷たさを感じたものの、
朝まで熟睡する事ができました。
マットを少し工夫して使い捨てカイロを併用すれば、-30℃辺りは普通に熟睡できそうです。

シュラフも色々な国内メーカーが販売していますが、
イスカのエアシリーズは、重量に対しての暖かさが抜きん出てるように感じます。
(あくまで私個人の感想です)
他のメーカーと比べて、ダウンの配置や構造が良いのかも知れません。

登山ほどでは無いにせよバイクも積載は限られているので、
少しでも軽くてコンパクトで暖かいシュラフをリサーチしてコレを選びました。

お値段はかなり…ですが、-25℃でも普通に睡眠出来るのですから納得です。
一体何度まで耐えれるのか試して見たいものです(^^)

極寒キャンプで暖かく眠るコツなのですが、
シュラフに入るまでに、なるべく体を冷やさない様にする事が大事だと思います。

テントで温かい食事を取り、ホットウィスキーをキューっとやってからシュラフに入るとホカホカです(笑)
体が震えるほど冷えてからシュラフに入っても中々暖かくはなりません。

(シュラフカバーは使用しませんでした。)



◆マット

いくら厳冬期用シュラフを使用してもマットが貧弱だと全く暖かくなりません。
特に雪の上にテントを張る場合、夏と同じマットではおそらく背中が冷たくて寝れないと思います。

私は雪が無ければサーマレストのZライト・ソルRを1枚ですが、
雪中キャンプの場合は同じ物を2枚重ねにして使用しています。
2枚重ねにする事で雪面からの冷えはほとんど感じなくなりました。

Zライト・ソル レギュラー


広げるのも畳むのも非常に楽チンでお気に入りです。
これを2枚重ねるのですが、マットの下には薄い銀マットも併用しました。

うすーい銀マット


ホムセンで売ってる、ホットカーペットなんかの下に敷く薄いシートです。
これをテントの長辺より大きめにカットして頭と足部分は立ち上がる様にして敷きます。

こんな感じ


こうする事により、シュラフがテントに直接触れなくなるので結露による濡れを軽減できます。

それでも何日も使ってるとダウン製品は湿気てくるので、
コインランドリーを見つけた時はシュラフを乾燥機で乾燥させると良いかと思います。
(生地が傷むので必ず低温設定で…。)

アルプスの縦走登山をやってる訳では無いので使える物はつかいます(笑)



◆テント内での防寒

暖かい食事と酒で体を温めてからシュラフに入るのですが、
それまでに体を冷やさない工夫も大切です。



ウールの手袋と帽子、それにダウンの靴下です。
ダウンの靴下はモンベルの「ベーシックダウンフットウォーマー」を使用しました。

足は特に冷えやすく、このフットウォーマーは暖かくて重宝します。
冷え込む夜には、これを着用してシュラフに入ると足元もぬくぬくです。



◆ストーブ(バーナー)

冬でも夏でもお湯を沸かすには必要ですね。
ガスバーナーと比べて、大きい、重い、プレヒートが必要、だったりしますが…
大きさはガス缶含めると大差無いですし、プレヒートも慣れれば手間に感じません。


オプティマス 8R



そして最大のメリットは、極寒の中でもドロップダウン無しで常に最大火力が得られる事と、
出発前の燃料管理が非常に楽な事です。

ガスでも冬用のガス缶を冷やさない様に工夫すれば問題ないのですが、
私はなんと言っても液燃ストーブが大好きです。その中でも取り分け箱型ストーブが大好きなのです。

基本、ホワイトガソリンで使用しているのですが、
持参した燃料が無くなってもバイクのタンクにたっぷりと入っていますので、
多目の予備燃料を持つ必要もありません。

-25℃でもフルパワーでお湯を沸かしてくれる心強いストーブです。



◆保温ボトル




真ん中のサーモスはコーヒー用です。朝に熱々のコーヒー作って入れておきます。

大きいほうはお湯用です。氷点下になるとお湯を沸かしてもすぐに冷めるので、
食事を作るときに一緒にお湯を沸かして入れておくと後でウィスキーのお湯割り飲むときに便利ですw
残ったお湯は朝、写真左の水筒の水が凍ってるので解かすのに使います。



◆ライト(照明)

冬に限りませんがキャンプでは明かりが必要です。
ツーリングの場合はなるべく荷物を減らしたいのでランタン等は持って行かずに、
コンパクトな電池のヘッドランプとハンドライトのみです。
ただしアルカリ電池などは低温時、極端に弱ってしまいます。(新品なのにほとんど使用出来ない時も…)
電池は低温に強いタイプを選ばないと使用できません。

ヘッドランプとハンドライト



左のヘッドランプは単三電池1本で最大光量が123ルーメンです。
明るさが調整できるので普段は光量を落として使用しています。
(ゼブラライト H501Fc)

照射範囲がワイドで、手元や足元などの至近距離が大変見やすいです。
LEDですが光色が電球に近く、雰囲気も良いです。

電池は低温に強いエナジャイザーのリチウム電池を使用しています。
私の場合リチウム電池で使用すれば、単三1本で10泊ぐらいは余裕で持ちます。

このヘッドランプは至近距離は見やすいのですが、遠くはほとんど照らせないので
写真右のハンドライトを併用します。コンパクトですがかなり光が飛びます。
電池はカメラ用のCR123A(リチウム)を使用します。
(SUREFIRE E1L)



◆電源関係

宿に泊まる場合はあまり問題にならないのですが、
キャンプの場合困るのがスマホやカメラの電源です。

バイクにはもちろんシガーソケットも装備していて普段はスマホなど、そこから充電するのですが、
極寒ツーリングとなるとそれもままならなくなります。

と言うのも、スマホなどに使用されているリチウムイオン充電池は
-10℃以下などの冷え切った状態では充電する事が出来なくなってしまいます。

ウエア内で温めながらUSBケーブルをシガーソケットに接続すれば出来ない事もないのですが、
重ね着したウエアからはケーブル出すのも大変です。

ですので今回は大容量のモバイルバッテリを使用しました。

大容量モバイルバッテリー


写真下のモバイルバッテリーとスマホを、ウエアの懐やシュラフ内で暖めながら充電します。
持参したデジカメはUSB充電非対応でしたので複数のバッテリーを用意しました。

写真右の電池はエナジャイザーのリチウム電池です。
ライトの所でもふれましたが乾電池を使用する場合、アルカリ電池は低温に弱い為ほとんど使用できません。
このリチウム電池の使用温度は-40℃までとなっており、極寒でも容量減少は感じません。

電源も極寒に備えて準備が必要です。





以上が今回の「厳冬期北海道ツーリング」でのキャンプ装備です。


厳冬期の縦走登山などをされてる方からすれば、まだまだ生ぬるい状況ではありますが、
極寒の北海道ならではの楽しいキャンプを経験できました(^^)


冬のキャンプは装備さえ整えれば快適に過ごせますが、悪天候ともなれば危険な場面もあるでしょう。
危険を感じた時は宿に逃げ込むなど、マージンを持って楽しむのが良いと思います。





(ご注意)
寒さに対する強さや感じ方は個人差が大きいです。
この記事を鵜呑みにせず、事前に寒い地域でテストする事が重要です。
もし、この記事をご覧になって冬の北海道ツーリングに行かれる方は自己責任で…。








  

2015年10月26日

厳冬期北海道ツーリング装備まとめ(バイク編)

一年の中でも最も寒い時期、
1月から2月にかけての厳冬期の北海道へキャンプツーリングに行ってきましたので、
その時の装備をご紹介いたします。

ツーリングレポートはこちら→「厳冬期北海道ツーリング」

この時期の北海道は地域にもよるのですが、
最低気温は-20℃以下、日中も常に氷点下での走行を想定して装備を準備しました。

気象庁のサイトに過去の天候を調べられるページがあるので参考になります。
サイトはこちら→「過去の気象データ検索」

で、実際に経験できた気温は、
最低気温-25℃、走行中の気温が-15℃。
と、念願の-20℃以下でのキャンプと-10℃以下での雪上ツーリングを経験する事ができました。


想像力を働かせ、あらゆる事に対応できる準備がバイクにも必要です。

それでは装備まとめバイク編です。



◆バイクの防寒対策

極寒の中をバイクで走ってて一番冷えるのは手と足です。(冷えると言うより痛い)
氷点下の気温では、どんなにごっついグローブを使おうが
指の感覚が無くなるのは時間の問題です。

そこで素晴らしい効果を発揮するのがハンドルカバーです。
私はオフ車の定番、ラフアンドロードのホットウォーマーを使用しています。

装着状態


見た目はカッコ悪いかも知れませんが、
おそらくハンドルカバー無しでは凍傷になると思います。
しかし、ハンドルカバーだけでは痛みは無くなりますが冷える事からは逃げられません。
そこで登場するのが「グリップヒーター」です。

ホンダ純正のグリップヒーター
これを装着すれば完璧です。冷たくないどころか、コタツ状態になります(^^)
ネット上で「効果がイマイチ」なんて意見も偶に見かけますが、
おそらく電源の供給が上手く出来ていないのでは無いでしょうか。
それにハンドルカバーが無いと、効果は半減ですね。

私はメーカー純正の接続キットは使用せずに、バッテリーからリレーを介して
電源を供給しています。
-15℃での走行中でもグリップヒーターのおかげで手だけは暖かいです。

あと、私は装着していませんが風防があればより良いかもですね。



◆バイクの雪上走行対策(氷含む)

真冬の北海道ですので当然のごとく路面は雪と氷ばかりで真っ白です。
(それを求めて行ってますが(笑)

路面は非常に滑りやすく、バランスを崩した時は足で路面を蹴って立て直します。
なのでバイクの足付きが良くないと非常に困ります。
しかし、XR250は結構シートが高い…。(それとも私の股下が短いのか?)

そこで、足付き改善対策が必要になってきます。
私が行った足付き改善は、
「リアサスのリンクロッド交換」
「リアサスのイニシャル抜き」
「フロントフォークの突き出し増加」
の三点です。

リアサスのリンクロッドはラフアンドロードの物を使用しています。

リンクロッド


リアサスのイニシャルはサスペンションユニットのイニシャルアジャスターを3回転ほど緩める。

倒立サスのXR250の場合、フロントフォークは構造上あまり突き出せ無いのですが、
少しでも前後のバランスをとる為に、可能な範囲で突き出しています。
(正立フォークは結構突き出せる様です。)

これでかなり足付きは改善されました。まぁこれでもセローの足付きには負けますが。


そして、「これが無いと話にならない」のがスパイクタイヤです。

自作のスパイクタイヤ


新雪のフカフカ路面であれば、ブロックタイヤのみでもそこそこ行けるのですが、
アイスバーンになるとバイクは全く進めません。直進すら不可能です。
以前、全面つるぴかアイスバーンと化した舗装林道に普通のブロックタイヤで進入した時は
何回転倒したのか分からないほどコケまくりでした。

しかし、これさえあればアイスバーンや凍結路面は普通に走行できます。
(スパイクが有っても勿論滑ります。スパイク無しと比較しての話です。)

今まではオークションで購入した中古のスパイクタイヤを使用していたのですが、
今回はあらゆる路面で車に負けない走破性を得るべくスパイクタイヤを自作しました。

関西や信州の山間部の積雪路と違って、
北海道では市街地のガタガタアイスバーンを車の流れに合わせて走行しなければなりません。
極端に遅いペースで走るのは車に轢かれるリスクが上がりますし、
今後の為にも、地元の方々に「冬のバイクは迷惑!」と思われない様にしたかったのです。

ミシュランのAC10をベースに前後合わせて431本のピンを打ち込みました。
アイスバーンではピンが氷を掴み、積雪路では間隔の広いブロックが雪を掴んでくれました。
サイドまで打ち込んだフルピンですので空気圧を下げれば氷の轍もなんのそのでした。

(注)
空気圧を下げる為にビードストッパーを必ず前後に装着しましょう。

しかし、フロントは耐久性も十分だったのですがリアは消耗が激しく、
ツーリング後半はリアが滑る場面が多かったです。
リアの耐久性に関してはもう少し工夫が必要ですね。
(そもそもAC10と言うタイヤは長距離ツーリングに使うタイヤではありません(^^;)

スパイクタイヤ製作の動画を作りましたので、自作に興味がある方はどうぞ。

動画はこちら→https://youtu.be/-620SrEKhNI




(注)
スパイクタイヤの使用には規制があります。
私のツーリングでは、雪や氷の道路でのみスパイクタイヤを使用しています
雪の無い舗装路ではノーマルタイヤで走行していますので、参考にされる方はご注意を…




◆ワイヤー類の交換

バイクはクラッチやアクセル、スピードメーターなど、各所にワイヤーが使用されています。

古いワイヤーは中に雨などの水分が入ってしっまており、
北海道上陸後に動かなくなる可能性大です。

私はクラッチとアクセルワイヤーは新品に交換したのですが、
うっかりメーターワイヤーの発注が抜けていて出発には間に合いませんでした。

その結果、見事に上陸と同時にワイヤーが切れてしまいメーターは沈黙…。
ナビを装着していたので燃料管理は事なきを得ましたが少し焦りました。

ワイヤーに限らず、各所の基本整備も大事です。




◆その他の装備

あと、無くても良いのですが、有ると便利な装備です。

シガーソケット、温度計等ですね。

装着写真


「シガーソケット」
シガーソケットは携帯電話などの充電に便利です。
気温が氷点下を下回ると、電池系のものは全て使用可能時間が短くなります。
アルカリ乾電池などはほとんど使用出来ません。
スマホなどに使用されているリチウムイオン系の充電池も寒さには弱いです。
携帯電話やデジカメはインナーウエア等のポケットに入れて冷やさない工夫が必要です。

乾電池を使用する場合はリチウム系の1次電池が最強ですね。
使用可能温度は-40℃~60℃と明記もされており、-20℃でも容量減少はほとんど感じません。
(エナジャイザーの単3型やカメラ用のCR123Aなどです。)

それと、バイクの装備では無いのですが「大容量のモバイルバッテリー」が便利です。
バイクにシガーソケットがあっても、氷点下では冷え切ったスマホなどは充電すら出来ません。
なので懐でスマホとモバイルバッテリーの両方を温めながら充電していました。


「時計付き温度計」
MOTOFIZZ サーモクロックと言う製品です。
走行中に時間も確認できますし、キャンプの時の気温も確認できます。
なんと言っても、過去8時間の気温を30分刻みで記憶してくれる機能が最高です。
キャンプの朝、起きた時間が最低気温とは限りませんので、
これがあると何時に何度まで冷え込んだのかを知ることができます。

表示する温度も、他の数種類の温度計と比較しましたが、かなり正確に計測していると思います。
ただし、ガラス管の温度計等と比べて温度変化への追従が遅いです。
ですので、走行中の気温の変化等はあまり当てになりません。
もちろん直射日光を受けている時も実際の気温とはズレてしまいます。
使い方さえ見極めれば便利な温度計だと思います。



◆エンジン始動(オプションキックペダル)

エンジンの始動についてです。
最近のバイクはインジェクションになっているので低温時もすぐにエンジン始動できるのかな?

私のXR250は勿論キャブレター式です。
それにバイクのバッテリーも、もれなく寒さには弱いです。
同じXR250でも個体差はあると思いますが、私のXR250の場合は、
出発時の気温が-10℃辺りでセルでの始動は困難になってきます。
ですのでオプションキックペダルが大活躍です。
一度エンジンが温まればあとはセルでも始動可能です。
(出発前にキャブのOHをして以前よりは始動性が向上したんですが…。)

行く時期にもよりますが、1月後半から2月にかけての極寒期は
キックスターターが無いバイクは厳しいかもしれませんね。
(雪や氷の上では押し掛けも難しい。)
最悪「バッテリーを外して寝袋の中で抱いて寝る」という最後の手段もありますが(笑)
(朝、バッテリーを鍋で茹でるのもありか?)

しかし-20℃以下になるとキックを蹴りまくっても全く始動しませんでした。
キックペダルを踏むのがあきらかに重く、低温でオイルが固くなっているのを実感しました。
(オイルはホンダのG3 10w-30です)
その日は気温が-15℃位まで上がるのを待ってようやく始動できました。

-20℃以下ではオイルも極寒に対応したものが必要だと感じました。
次回はホンダのG4 0w-30を使ってみます。

あと、現在計画中なのは電気式のキャブレターヒーターです。
やわらかいオイルとキャブヒーターがあれば、-30℃でも始動可能ではなかろうかと妄想中です(笑)


極寒での始動性最強バイクはインジェクションのカブでしょうね。
インジェクション+キックスターターが最強だと思われます。
(インジェクションのカブは、インジェクションなのにバッテリー無くてもキックで始動できるらしい…。)




◆アイシング対策

北海道に行く前から関西や信州で、雪と極寒を求めてツーリングに出掛けていたのですが、
今までキャブレターのアイシングは一度も経験がありませんでした。
XRはアイシングに強いのかな?

それでも念の為、気持ちばかりではありますがアイシング対策を施しました。



エキゾーストパイプからキャブレターへと銅線を繋いで熱が伝わる様にした
なんちゃってキャブヒーターです。

それでも北海道ではアイシングの症状を2回程経験しました。
ま、走行出来なくなる程ではなかったので事なきを得ましたが、
大量の降雪などに遭っていれば、走行不能な程になっていたかもしれません。

次回はこのなんちゃってキャブヒーターの増強と、
エンジン始動の所でも触れましたが、電気式のキャブヒーターを装着したいと考え中です。


「追記」
2016年は電気式キャブヒーターを増設しました。




XRのキャブレターには取り付ける箇所がないので、
ドリルで穴を開けてタップでネジ山切って取り付けました。
キャブレターに穴を開けるのは失敗が許されない、緊張する作業でしたが、
効果は抜群でした!
走行中のアイシングとは無縁になり、始動前に数分通電する事により始動性も向上し、
-23℃でもキック5回でエンジンを始動できました。



以上が今回の「厳冬期北海道ツーリング」に行った時のバイク装備です。



ただ、行った私が言うのもなんですが、
厳冬期の北海道ツーリングは全くお勧めは出来ません。

市街地は交通量も多く、地元の車は走行ペースも速いです。
転倒した時に後続車や対向車がいれば高い確率で車に轢かれる事になるでしょう。
実際、帰りの船でお会いしたハンターカブの方は、
国道40号線で転倒し、対向車のトラックに轢かれる寸前だったそうです。
(想像しただけで恐ろしい…。)

遊びに行って怪我するのは誰しも望んでいませんし、地元の方にも迷惑を掛けてしまいます。

もし行かれるのであれば自分の行動に責任を持ち、
事前に雪や氷の路面の走行経験を十分に積み、万全の装備で臨みましょう。




(ご注意)
寒さに対する強さや感じ方は個人差が大きいです。
この記事を鵜呑みにせず、事前に寒い地域でテストする事が重要です。
もし、この記事をご覧になって冬の北海道ツーリングに行かれる方は自己責任で…。




  

2015年10月25日

厳冬期北海道ツーリング装備まとめ(ウエア編)

一年の中でも最も寒い時期、
1月から2月にかけての厳冬期の北海道へキャンプツーリングに行ってきましたので、
その時の装備をご紹介いたします。

ツーリングレポートはこちら→「厳冬期北海道ツーリング」

この時期の北海道は地域にもよるのですが、
最低気温は-25℃ぐらい、日中も常に氷点下での走行を想定して装備を準備しました。

気象庁のサイトに過去の天候を調べられるページがあるので参考になります。
サイトはこちら→「過去の気象データ検索」

で、実際に経験できた気温は、
最低気温-25℃、走行中の気温が-15℃。
と、念願の-20℃以下でのキャンプと-10℃以下での雪上ツーリングを経験する事ができました。


ウエア類は登山用品などで揃えました。
やはり基本どうりに、アウターで防風、ミドルで保温(断熱)、アンダーで汗冷えを防ぐ、
の三点が大事だと思います。

それでは装備まとめウエア編から



◆ヘルメット 顔 手




ヘルメットはひさし付きのジェットヘルを使用しています。
フルフェイスも所有していますが、ツーリングの時はジェットタイプの開放感が好きです。
ただしフルフェイスと比較すると寒いですが…。



シールドはピンロックタイプに変更してあります。
シールド内側に曇り止め加工された専用のシートを貼り付ける事で
ダブルレンズの構造になり曇りを防止できます。

オープンタイプのジェットヘルメットはフルフェイスよりも曇りにくいのですが、
それでも極寒走行では簡単に視界が無くなってします。
このピンロックシールドは効果絶大で、-15℃の走行中も曇りは発生しませんでした。
かなりオススメです! (と言うか必須かもしれません)

しかし内側は曇らないのですが外側は極寒の霧で凍りつく事はありました。
これは防ぎ様が無いと思います。

あと、シールドに吐息が当たらない様にする事も大事です。
エンジン始動時に鬼キックする時はヘルメットは脱ぎましょう(笑)



紫外線から目を守るサングラスやクリアタイプの防風メガネも使用しました。
-10℃以下での走行では目が凍りそうになるのか、
メガネ無しでは目を開けていられなくなる時がありました。
曇り易いのが難点ですが持って行った方が良いと思います。


モンベル スーパーメリノウール バラクラバ

顔と首の防寒です。これが無いと氷点下の走行は無理です。
薄い生地ですがウールなので暖かいです。
コンビニ等に入る時はもちろん脱ぎます(笑)

この上にフリースのネックウォーマーをもう一枚重ねました。
これで顔周りは大丈夫でした。


タイチの冬用グローブ(ゴアテックス)


普通の冬用防水透湿グローブです。操作性や防水性を重視して選びました。
しかし、グローブをいくらグレードアップしても氷点下では手の冷えは防げません。
(冷たいと言うより、痛い。厳冬期の北海道では凍傷の危険性大!!)

やはり、バイクに工夫が必要でハンドルカバーとグリップヒーターが必須です。
どんなに気温が低くてもグローブの中はコタツ状態です。




◆上半身

モンベル スーパーメリノウールEXPラウンドネックシャツ

こちらのアンダーシャツはウールで保温性に優れていて、速乾性にも優れていました。
転倒したバイクを起したり、てんこ盛りの雪の中に突入すると極寒の中でも汗をかいてしまいます。
(今回は幸い無転倒でした。)
低温時の汗は急激な体温低下の原因にもなりますので、
アンダーウエアは慎重に選んだ方が良いと思います。

それから、肌に直接触れるアンダーウエア等はウールがお勧めです。
積載が限られたバイクでは沢山の着替えは持てないので
同じアンダーウエアを何日も着る事になるのですが(パンツは履き替えますよw)
ウールの抗菌性は素晴らしく、匂いはほとんど出ないです。
(帰宅後、妻にも匂わせて確認しましたw)

気温に応じて更にジオラインのEXPも重ね着していました。


モンベル ライトスウェット

所謂ミドルウエアです。ここで空気の層を作ります。
ユニクロでも何でもいいと思いますが、私は首まわりの着心地を重要視するので
試着してこれに決めました。


モンベル ライトシェルアウタージャケット

これは着なくても良いのですが、フリースにポケットが無いのでこれを重ね着しました。
スマホやカメラは極寒ではバッテリーの電圧が低下して全く使えなくなってしまいます。
なので肌に近い所で温めておく必要があります。
アウターのポケットでは冷えてしまうのでダメです。


モンベル アルパインダウンジャケット

氷点下になるとミドルにフリースだけだと寒いです。
なのでこのダウンジャケットをアウターの下にミドルウエアとして着ます。
これで劇的に寒さを感じなくなります。
ただし、ダウンなので汗などで濡らさないように気温に応じて着脱します。
脱いだ後もコンパクトに収納できるので、やはりダウンがいいですね。

ただ、厳冬期の北海道ではダウンジャケットを脱ぐ場面はありませんでした。
脱がなければ収納を考えなくてもよいので、ダウンにこだわらず化繊でも良いかと思います。


モンベル シャルモパーカ

アウターでいかに外気の侵入を防ぐかが、バイクでの防寒の鍵を握っています。
高速道路で時速100km程での走行は秒速28mの風を受ける事になります。
運動量も極めて少なく、体の発熱も期待できません。
袖、首、裾、ジッパー、等あらゆる隙間から外気が侵入してきますので、
その部分で空気が出入りできない構造のものがいいと思います。

このシャルモパーカはゴアでは無いですが防水透湿生地を使用しており、薄い中綿も入っています。
ジッパーも水や空気が抜けにくい構造で防風性はかなり良いですね。
フードも使わない時は収納できるのでバタつきません。
コスパも良いです。(ここ重要)

あと、このジャケットは襟が高く、口元まで覆ってくれるので首周りの防寒性が良いです。
ジェットヘルメットとの相性は良いですね
(フルフェイスのヘルメットとは相性が悪いかも…)



カワサキ ポケットウォーマー

これはカイロなのですが、使い捨てカイロと違い繰り返し使用できるハクキンカイロです。
昔、おじいちゃんがよく使ってたなぁ。
ジッポオイル等を燃料とし、白金の触媒で反応して発熱します。
使い捨てカイロより発熱量も多く暖かいです。
上記のライトシェルジャケットのポケットに入れて使用しました。
(かなり熱くなるので低温火傷にご注意を…。)



◆下半身

モンベル スーパーメリノウールEXP タイツ

タイツもウールがお勧めです。
下半身も基本的に上半身と同じで、アンダーウエアは汗冷えしない物を選びます。
それと、体にフィットする物を選ぶ事が重要ですが、あまり体を締め付けないのが大事ですね。
必要以上に締め付けるものは血行を阻害して、より末端が冷えやすくなります。

これも、気温に応じてジオラインのEXPを重ね着しました。


ユニクロの暖パン

値段は安く、それでいて暖かい。コスパ抜群です(^^)
ミドルとして使用します。


モンベル スーパーハイドロブリーズ インシュレーテッドパンツ

防水透湿で中綿入りのアウターパンツです。
インナースパッツも付いているので雪の侵入もありません。
現在は廃盤ですので現行だと「ドライテック インシュレーテッドパンツ」かな?


ワークショップの安いオーバーパンツ


-5℃以下になってくると上記の3枚では厳しいです。
ですので、さらにオーバーパンツとしてこれを着用します。
防水性はありませんが中綿が入っていて、裏地にアルミが蒸着されています
2000円程で購入しました。

さらに、この上にからカッパのズボンを履きます。



◆足(靴下 靴)

モンベル メリノウール エクスペディション ソックス

モンベルで一番厚手のソックスです。
これ一枚のみです。何枚も履くのは手間なので、なるべく分厚いものを一枚履きで。
靴下も素材はウールが良いと思います。

足先の防寒が一番悩ましいのですが、どんなに寒くても靴の中は蒸れてしまいます。
蒸れると靴下や靴の中綿が濡れてしまい保温性が著しく低下します。
そこで「靴下を履く前にビニール袋で覆ってしまえば靴下も靴も濡れないのでは…」
と考え、素足にビニール袋、それから靴下と靴、と言う順番で履いたところ、
一日経っても靴下や靴はドライなままで保温性の低下も防ぐ事ができました。

ただし足は汗でびちょびちょになるので、一日に2回ぐらいはビニール袋を交換します。

スーパーで買い物した時に肉なんかを入れる薄いビニール袋がありますよね?
それを使用しました。

もちろん激しく不快なのですが、凍傷になるよりはマシです(笑)



ダンロップの防寒長靴

靴の選択も悩ましいですね…。
冬用の登山靴などは価格がとんでもないので除外しました(笑)
取り外し出来るインナーつきの長靴です。
かなり暖かいのですが、半日もすると中が蒸れまくって濡れてきます。
(透湿性ゼロなので当然ですが)
ですので、上記の必殺ビニール袋作戦で濡れを防ぎました。

しかし、これでも足は結構冷えましたので使い捨てカイロを併用しました。
靴の中のカイロはすぐに酸欠になって発熱しなくなるので、
一時間に一度は靴を脱いでの換気が必要です。 

次回、厳冬期の北海道に行くのであれば、
モンベルのヴェイルブーツあたりが良いかな?と考えています。


モンベル リバーシブル グリッパー




これは防寒装備ではないのですが、靴に装着する滑り止めです。
雪の上なら滑らないのですが、ツルツルのアイスバーンだと
停車して足を着くだけで立ちゴケしそうになります。
これを装着すれば金属ピンが氷を捉えて滑りません。




以上が今回の「厳冬期北海道ツーリング」に行った時の防寒装備です。

かなりモンベル製が多いですがモンベルの回し者ではありません(笑)
登山ウエアメーカーは色々ありますが、コスパ重視で行くとこうなっただけです(^^;
近くにモンベルショップがあるので、ついつい見に行ってしまうのですよ。


今回は靴の中以外は使用しませんでしたが、「使い捨てカイロ大量投入」で
さらに暖かくする事も可能です。


これだけのウエアを重ね着して走ったのですが、北海道では地元車のペースも速く、
車の流れに合わせて走るので上陸当初は寒くてたまりませんでした。
しかし、2日目、3日目と日を追うごとに寒さにも慣れ、あまり寒さを感じなくなりました。

体が寒さに対抗して体内の発熱量を増やしているのだと思います。

私は身長173cmで普段の体重は63kg。
年間通して体重は変化しないのですが、僅か一週間の北海道ツーリングで
体重が4kg減って59kgになってしまいました。
おそらく体が基礎代謝を上げてエネルギーを消費し、熱に換えていたのでしょう。

若干痩せ型の私が一週間で4kgも体重が減ってしまうのですから、
極寒でのカロリー消費量は相当なもんです。

寒さに対抗するには装備も重要ですが、
ツーリング前から適度な運動などで体の基礎代謝を高くし、
寒さに強い体を作る事も大事です。

あとツーリング中はしっかり食べましょう!!(笑)





(ご注意)
寒さに対する強さや感じ方は個人差が大きいです。
この記事を鵜呑みにせず、事前に寒い地域でテストする事が重要です。
もし、この記事をご覧になって冬の北海道ツーリングに行かれる方は自己責任で…。